鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 てっきりこの場に証拠を持ってきていてもおかしくないと思っていた。私が不倫をしている件で会うことになったのだから、悠生さんの信用を得るためにそのくらいは用意するのかと。だけどどうやら違ったようだ。

「悠生さん、あなたはこの女に騙されてる。そもそも、よく考えてみて? その辺の一般人が羽白家の後継者と結婚するなんてできすぎよ。きっとあなたの財産を狙っているんだわ」

「それは君のほうだろう」

 それ以上聞いていられないといった様子で、悠生さんが顔をしかめる。

「律に不倫できるはずがない。彼女は俺が災害派遣に行っていた時期、同じ場所でボランティアスタッフをやっていたんだからな」

「え……」
< 304 / 337 >

この作品をシェア

pagetop