鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
「知ったうえでやったのが、俺の愛する人を傷つけることか?」

「私……私、そんなつもりじゃ」

「律にしたこと、言ったことを謝るんだ」

 すがるように自分を見る亜香里さんを前にしても、悠生さんは一切容赦しなかった。

 すると、亜香里さんはすぐに表情を変えて苛立たしげに息を吐く。

「どうして謝らなきゃいけないの? 私はただ事実を伝えただけ。それで勝手に傷ついただけじゃない!」

 ぐ、と悠生さんがこぶしを握りしめるのが見えた。

 長年友人だった相手に、きちんとけじめをつけてもらいたかったのだろう。だけど彼女の態度を見る限り、それは永遠に望めない。

「謝るつもりはないんだな」

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