鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
「つらい思いなんて、もう全部忘れました」

 それに、と付け加える。

「災害の現場に比べたら、どんな悩みも些細なことです」

「……そうか、君は強いな」

 もしかしたら今後も悩む日が来るかもしれない。

 だけど悠生さんとなら、どんな未来だって乗り越えていけるだろう。

 だって私たちは既に、ここまで多くのことを乗り越えてきたのだから。

 悠生さんが私を抱き寄せる。

 そのぬくもりに従って腕の中に収まった。軽く顔を上げて、悠生さんに自分からキスをする。

「俺からするつもりだったのにな」

 顎を指で持ち上げられて、すぐにお返しをされた。

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