鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 小さな呻き声が聞こえたかと思うと、不意に女性の肩が跳ねた。

 ぐらりとその身体が傾くのが見え、咄嗟に腕を伸ばす。だけどぎりぎりのところで私の手をすり抜け、彼女は地面に倒れ込んでしまった。

「大丈夫ですか? 大丈夫ですか!」

 軽く肩を叩いて大声で呼びかけるも、女性の反応はない。

 冷たい水を浴びせられたかのように、自分の全身から血の気が引いていくのがわかった。救急車が到着するまでまだ時間がある。その間の対応次第で、この女性の命運が分かれる。

 すぐに顔を上げ、いつの間にか私たちを取り囲んで輪を作っていた人々の中から、若い女性を指し示す。

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