鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
「切ない、か。たしかにな」

 ふ、と微笑したのを見て奇妙に胸が疼く。普段は無表情に近い真面目な顔をしているから、感情が動く瞬間を見ると物珍しい気持ちになった。話していて無感情な人だとは思わないのに。

 しばらく私たちは他愛ない話をしながら、甘い朝食を楽しんだ。羽白さんが満足していないんじゃないかと心配だったけれど、本人が言ってこないなら無理に勧めるのはやめておく。

 食事を終えた後、食器の片づけは羽白さんが担当してくれた。申し訳ない気持ちになりつつ、ソファに座って彼を観察する。

 なんとなくキッチン台が高い気はしていたが、こうして見ると羽白さんの身長に合わせてあったからだと気づく。

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