きみの本気は分かりづらい
入浴前は荒んでいた心も、すっかり癒され
上機嫌でお風呂場を出た私は、ロビーへ向かう
先にロビーで
椅子に座って待ってくれていたゆう兄を見つけ
駆け出した
「ゆう兄!」
「むくちゃん」
「温泉すごかったっ」
「うん。立派だったね」
「あのね、女湯の方はね
お湯がとろみがあってね」
「うん」
「すっごい、肌つやつやになったの」
温泉にとても感動してしまって
この感動を伝えたくて
早口で、ゆう兄にまくし立てる私
にこにこ笑いながら話す私に
ゆう兄は、優しくまなじりを下げる
そして、おもむろに、私の左手を取った
「ほんとだ。つやつやしてる」
「…」
触れた手の感触に、ぴたりと固まる私
ゆう兄は気付かず
私の指先を軽く握って、見つめ続けてる
「あ、むくちゃん
アイス食べる?貰ってくるよ」
「………食べる」
すぐに、ゆう兄はその手を離して
私を見上げ、問いかけた
ぼんやり返した言葉に
ゆう兄は笑って頷いて、立ち上がると
そのまま、フロントの脇にある
アイスサービスの冷凍庫へ向かった
「…」
私は、じっと自分の左手を見つめる
すっかり油断していた私は
ゆう兄が何気なくした行為にあっけにとられて
それから
……………不意打ちは、卑怯だ……
遅れて、胸が騒ぎ始め
湯上がりの肌に、また熱が宿った
上機嫌でお風呂場を出た私は、ロビーへ向かう
先にロビーで
椅子に座って待ってくれていたゆう兄を見つけ
駆け出した
「ゆう兄!」
「むくちゃん」
「温泉すごかったっ」
「うん。立派だったね」
「あのね、女湯の方はね
お湯がとろみがあってね」
「うん」
「すっごい、肌つやつやになったの」
温泉にとても感動してしまって
この感動を伝えたくて
早口で、ゆう兄にまくし立てる私
にこにこ笑いながら話す私に
ゆう兄は、優しくまなじりを下げる
そして、おもむろに、私の左手を取った
「ほんとだ。つやつやしてる」
「…」
触れた手の感触に、ぴたりと固まる私
ゆう兄は気付かず
私の指先を軽く握って、見つめ続けてる
「あ、むくちゃん
アイス食べる?貰ってくるよ」
「………食べる」
すぐに、ゆう兄はその手を離して
私を見上げ、問いかけた
ぼんやり返した言葉に
ゆう兄は笑って頷いて、立ち上がると
そのまま、フロントの脇にある
アイスサービスの冷凍庫へ向かった
「…」
私は、じっと自分の左手を見つめる
すっかり油断していた私は
ゆう兄が何気なくした行為にあっけにとられて
それから
……………不意打ちは、卑怯だ……
遅れて、胸が騒ぎ始め
湯上がりの肌に、また熱が宿った