憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
課長が去っていき、私もパソコン画面に視線を戻しながらまたため息をつきそうになって苦笑いした。

……相談しろ、か。

ストーカーにつきまとわれているとかいったら、力になってくれるだろうか。
いや、宇佐神課長なら真摯に相談に乗ってくれそうだ。
もし引っ越ししてもダメなら、相談してみようかな。

「井ノ上せんぱーい、KENEEさんからポスターデザイン、届きました!
今度はバッチリというか、最高です!」

「どれどれ」

由姫ちゃんに手招きされ、後ろから画面をのぞき込む。
確かに前回のよりもさらによくなっていた。
異物感が強くて彼が拒否反応を示したがま口も、シックなレザーの眼鏡ケースになっていてよく馴染んでいる。

「これなら部長も文句のつけようがないね」

「はい!
一時はどうなるかと思いましたが、結果オーライですね。
KENEEさんにお礼のメール、送ります!」

本当に嬉しそうに由姫ちゃんが笑う。
とても可愛いその笑顔は眩しくて、つい目を細めていた。

「うん、私からも送っておくよ」

なんだかんだいいながらもこちらの要望を飲み、それ以上のものをあげてきてくれるなんてさすがプロだ。
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