憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
けれどすぐになにを指すのか気づいたらしくくつくつとおかしそうに笑いだし、おかげで顔がほのかに熱くなっていった。

「うん、体調。
体調、な」

ツボに入ったのか課長は笑い転げだしたが、そこまで?

「ううっ。
すみませんね」

だって「性欲発散しないで大丈夫ですか」とか直接ズバリ問うのは恥じらいがあるわけで。
なので精一杯考えてあれだったのに、そこまで笑われるとは思わない。

「いや、七星らしくて可愛いなーって思っただけ」

笑いすぎて出た涙を、眼鏡を浮かせて指の背で拭う彼を、不満げに上目遣いで睨んでいた。

「まあ、別に今までと大差ないしな」

「はぁ……」

大差ないとは?
私は毎日、課長からごはんを食べさせてもらっているだけだが、彼女たちとはそれだけとは思えない。

「言っただろ、商品研究で連れ込んでただけだって。
製品を試させてもらって評判とか聞いて、あとはお礼にエステとマッサージしてただけだ」

確かに女を取っ替え引っ替えと市崎に糾弾されて宇佐神課長はそう説明していたが、信じろというほうが無理がない?
あの場では課長を不利に立たせないために必死で私も擁護したけれど。

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