憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
いや、ここしばらくストーカー事件で優しくされて忘れていたが、宇佐神課長は俺様宇佐神様なんだった。

「いや……それはちょっと、なくないですか」

否定しながらもまんざらでもないと思っている自分がいる。
いやいや、これはストーカー事件で危機的状況だったから宇佐神課長が不覚にも格好よく見えただけで、勘違いしているんだって、私。

「なくない」

「はぁ……」

課長は自信満々だが、これはどこからツッコんだらいいんだろう?

「で、その俺の彼女がどうしたんだ?」

そうだった、私が宇佐神課長の彼女かという問題はどうでもよく……はないが、問題はそこではない。
今まであんなに女性を連れ込んでお盛んだったのに、私が毎晩上がり込んでごはんを食べていればそういうことができないがいいのか、ってことだった。

「いえ……その、宇佐神課長の体調的に……いいのかな、って」

先ほどよりもさらに言いづらく、当たり障りのなさそうな感じで問う。

「体調?」

なにを言われているのかわからないのか、彼は私の顔を見て驚いたように少し目を大きく開けた。

「……ああ」

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