憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「えーっと。
言い訳にけっこう無理、ありませんか……?」

おずおずと指摘したら、それまで楽しそうだった課長がいっぺんに不機嫌になった。

「心外だな」

そう言われても、やはりしょっちゅう違う女性が部屋に出入りしていればそうとしか思えないわけで。

「まあ、そういう誤解をされるのはわかってるし、別にかまわないんだけど」

はぁっと嫌そうにため息をつき、課長はグラスから水を飲んだ。
自分でもそういう自覚があるのにはほっとする。

「七星にそう思われるのは嫌」

「えっ、と……」

なんで私に誤解されるのは嫌なんだろう?
そこからすでに、理解できない。

「神に誓って連れ込んだ女とそういうことはしてない。
服すら脱がしてないし、……ああ。
直接、確かめてもらってもいい」

携帯を操作し、彼が渡してくる。
そこにはずらっと女性の名前が並んでいた。

「そうだ、このリストも不快だよな。
削除してしまおう」

私から携帯を取り戻し、また少し操作して彼は画面を見せてきた。

「ほら。
なんにもない」

「そう、ですね……?」

不安そうに課長が私の顔を見る。
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