憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「いや、いい。
ナナを待つのは……」

私の顔を見て兄が言葉を途切れさせる。

「男!
男ができたからなのか!?」

かと思えば突然、キレられたけれど……ああ。
今日の私のメイクが違うと気づいたのか。

「男ができた途端に急に、色気づいて!
お兄ちゃんはそんなふうにナナを育てた覚えはないぞ!」

これはもしかして、もしかしなくても予想どおり、兄はシスコンだったんだろうか。
しかし、小さい頃から兄にお世話されてきたので、育てられた覚えはあるだけになんともいえない。

「まあまあ、お兄さん。
落ち着きましょう?」

「オマエにお兄さんとか呼ばれる覚えはない!」

宇佐神課長が兄をなだめにかかったが結局、火に油を注ぐだけで終わってしまった。

「えっと。
改めて紹介するね。
会社の上司の、宇佐神課長」

「七星さんの上司で彼氏の宇佐神です」

ことさら、課長が〝彼氏〟と強調する。
おかげで兄はますます不機嫌になった。

「なんでただの上司の宇佐神さんがナナのマンションにいたんだよ?」

しかし兄は華麗に〝彼氏〟の部分をスルーし、オマエはただの上司だと主張してくる。

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