憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「自覚なかったのか?」

兄がうそぶき、顔を見合わせて笑っていた。
シスコンの兄にブラコンの妹はお似合いだ。
でも、兄は私の彼氏ではない。
これからは宇佐神課長と向かいあっていかないといけないよね……。

「そういや、あの書類って……」

「すみません、お待たせしました」

宇佐神課長が兄に渡した書類になにが書いてあったのか知りたくて、尋ねたタイミングで課長が戻ってきた。

「トイレが隣町にでもあったのか?」

兄が皮肉ってくるが、可愛い妹の彼氏というだけでそうしないと気が済まないのだろう、仕方ない。

「ええ、あまりに遠いので迷っている人がいて、案内していたら遅くなりました」

それに応じるように素知らぬ顔で課長が言う。
兄には悪いが宇佐神課長のほうが一枚上手だったようだ。

言い争っているふたりをちらり。
年は同じなはずだし、喧嘩するほど仲がいいともいうから、なんだかんだいって気があっているのかな?

「七星、なに笑ってるんだ?」

無意識に笑っていた私を、宇佐神課長が不機嫌そうに見下ろす。

「えっ、兄と宇佐神課長、仲良しになれそうでよかったな、って」

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