憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「だって、会社で各人の動画をじっくり見るとかできないじゃないですか」

彼に抗議しつつ、差し出された瓶をグラスで受けた。

「まー、それはそうだけどな」

「あ……」

瓶を受け取ってお酌しようとしたのに、流れるように課長は手酌で注いでしまった。
いつも、そう。
自分は私に注いでくれるのに、私にはお酌をさせない。

「仕方ないから相談に乗ってやる。
が、これは時間外だから別料金がかかるけどな」

「うっ」

にやりと唇を歪め、彼はワインをひと息に飲み干した。

「じゃ、じゃあ、いいです……」

宇佐神課長なら一緒に考えてくれると思ったが、仕方ない。
そうだよね、仕事中のジェントル宇佐神課長じゃなくて、家じゃ俺様宇佐神様だもの。

「まてまて」

しゅんと背中を丸め、ちまちまとガーリックトーストを食べていたら課長が慌てて声をかけてきた。

「別に金を取ろうっていうんじゃない。
ちょっとしたお願いを聞いてくれたらいいだけだ」

高額な報酬を要求されるとばかり思っていたので、希望が見えて顔が上がる。

「お願い、ですか?
それってどんな」

「あとで教える。
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