憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「じゃああと、よろしくお願いします」

『わっかりました!』

調子のいい彼に苦笑いし、通話を終えて七星の様子を見に行く。
やはり彼女は苦しそうに眠っていた。

「すぐ薬が効いてくるからな。
大丈夫だ」

ただの風邪なんだから心配する必要はないとわかっている。
それでもこのまま彼女を失ってしまったらなどと不謹慎にも考えてしまい、怖くなった。

寝室にパソコンを持ってきて仕事をしつつ、七星を見守る。

「ううっ」

そのうち、彼女が目を覚ました。
用意していたスポーツ飲料を飲ませてやり、汗を拭いてパジャマを着替えさせてやる。
だいぶ汗を掻いたみたいだし、これならじきに熱も下がるだろう。

洗濯物を抱えて立ち上がると、七星に服を掴まれた。

「……ひとりにしないで」

泣きだしそうに彼女が呟く。

「七星?」

今、甘えられた気がしたけれど、気のせいだろうか。

「傍に、いて」

俺としてはひとりにしてゆっくり休ませてやりたいのだが、縋るように見られたら断れない。
ため息をつき、ベッドサイドに座って彼女の手を握った。

「これでいいか?」

――しかし。

「ぎゅーって、して?」

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