憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
ポストに不審な封筒も入っていない。
ようやく危険は去ったのだと、張ってきた気を緩められた。

「じゃあねー」

次の休みの日曜朝、コンビニへ行って帰ってくると隣の部屋から女性が出てきたところだった。
そりゃ、宇佐神課長には付き合っている女性がいるんだし、おかしくないよ?
ただしそれが、一緒の女性ならば、だ。

「あ、おはよう」

ちょうどドアを閉めようと手を伸ばした課長と目があった。
彼は何事もないように爽やかに挨拶をしてきたが、つい睨んでしまう。

「なにか?」

などと彼は不服そうだが、このあいだの女性と違いませんか?とか間違っても上司相手に言えない。

「いえ……」

曖昧に笑い、そのままそろりと部屋に入ってドアを閉めた。
もしかしてあの彼女とはもう別れたとか?
それにしては次ができるのが早すぎる気もするが。
二股……は最低なので、あの宇佐神課長がそんな人間だとは考えたくない。

そんな私の気持ちを裏切るがごとく、その後も。

「じゃ、おやすみ」

「おやすみ」

タクシーでマンションまで送ってくれた兄を見送る。
今日は引っ越しのお礼で仕事のあと、兄と食事をしていた。

「あ」
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