憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「配信で話したわけじゃないんだし、いいじゃん」

とうとう彼女は頬を膨らませてふて腐れているが、まったくもって可愛くない。
それに話していないとは言っているが、この様子だとぽろりと漏らしていてもおかしくないので、あとで依頼後の配信を全チェックだな……。

「発売前の商品の情報は最重要機密事項です。
社内でさえ取り扱う部署に入れる人間は限られていますし、何重にもチェックを経てでないと入室できません」

毎回、機械に社員証をかざしてパスワードを打ち込まないと部署に入れないのは面倒だけれど、それだけ大事な情報を扱っているのだから当たり前だ。
特に新商品発売前はピリピリする。

「そんな軽い考えなら、今回の契約は考え直させていただきます」

それはもう、龍志をはじめ上司たちの意向でもある。
商品の詳しい情報を漏らしていないのなら、今回は厳重注意で済ませる。
しかし、反省の色が見られない場合は、切るのもやむなし。
そう、今朝、伝えられた。

「そんな!
もう友達に話しちゃったのに!」

彼女は慌てているが、論点がズレている。
友達に話してしまったのに、降ろされたとは恥ずかしいからやめてくれ?
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