憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「守秘義務の契約書には商品情報を一切、関係者以外に話してはいけないと明記してあったはずですが」

準備していた、プリントアウトした契約書を目の前に置く。
該当の場所にはわかるようにマーカーを引いておいた。

「こんな字ばっかりの見てたら、頭痛くなるんだもん」

書面にちらっとだけ目を向け、彼女は手にすら取らない。
そうやって読まずにサインするからこんな事態になるし、もしそれで知らないうちに多額の借金とか背負わされていたらどうするつもりなんだろう?
他人事ながら不安だ。

「ちなみにご友人にはなんと話されましたか」

「えっとー、カゲツドーの新商品の宣伝依頼が来たってのと、プチプラじゃなくてデパコスだからみんなにもプレゼントするね、ってくらい」

……よしっ!

それを聞いて心の中でガッツポーズした。
詳しい資料を送る前でよかった。
あと、他のふたりと違ってCOCOKAさんが商品にさほど関心がないのも。

「え、それも話しちゃダメなの?」

「できれば」

「ええーっ」

彼女はご不満なようだが、よくこれで今までやってこられたな。
謎だ。

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