憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
明るい声で彼女が合点がいったとばかりに手を叩く。

「ありがとうございます、そうしてみます」

「いえ。
こちらこそ、よろしくお願いします」

面会時間は五分で終わり、彼女はそそくさと帰り支度を始めた。

「では、お気をつけてお帰りください」

「はーい。
宇佐神課長によろしくでーす!」

エレベーターのドアが完全に閉まり、手を振る彼女が見えなくなってもう癖になりつつあるため息をつく。
そのまま俯き気味に部署へと帰ろうと回れ右をしたところでいきなり声が聞こえてきた。

「なんか疲れてるな」

「うわっ!」

おかげで思わず悲鳴を上げ、飛び上がりそうになった。

「もー、驚かさないでくださいよ」

「わるい、わるい」

声をかけてきた人――龍志は笑っている。
その手にはバッグが持たれ、外出の準備がされていた。

「悪かったな、居留守使って」

「いいですよ、別に」

COCOKAさんがわざわざ来社するのは、龍志が目当てだからだ。
本当はオンラインどころか電話やメールで済む要件でも来社する。
なので用事は五分で済むし、彼女はいつも私の後ろに龍志を探しているというわけだ。
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