憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「……で。
これはいったい、なにをやってたんだ?」

聞いてくる彼の額に青筋が浮いているように見えるのは、気のせいだろうか。
……まあ、その理由はわかるけれど。

「……焼きそば作ろうとして、失敗しました」

コンロの上には麺がびっしりこびりついたフライパンが置いてある。
具材を炒めるまではまあ上手くいったがなぜか麺がほぼ全部、フライパンにくっついてしまったのだ。
どうにかして剥がそうと頑張ったが、菜箸のほうが折れそうで諦めた。
というか、くっつかないフライパンのはずなのに、なんでこんなにくっついたんだろう?

「はぁーっ」

龍志の口から特大のため息が落ちる。
そりゃ、疲れて帰ってきてこれを見たらそうなるというものだろう。

「……すみません」

私ごときが晩ごはんを作ろうなどというのがまず、無理があったのだ。
おとなしくカップ麺で我慢しておけばよかった。

「作ってくれようとしたのは嬉しかった」

涙目で俯いた頭上に声が聞こえてきて、顔を上げる。
龍志は呆れるようではあるけれど笑っていた。

「ちょっと待ってろ。
これをマシなメシに昇華してやる」

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