憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「もちろん、皆さんの分も買ってきてるんで!
よろしかったら食べてください!」

自分の気持ちを誤魔化すように彼女が笑う。
それがなんか、ちょっと可愛いなとか思っていた。

「あ、これってそういうことなんですね。
わかりました」

「ご理解いただけたのならよかったです」

龍志が目的で仕事はついでなので、話は五分で終わる。

「井ノ上さんってお肌、綺麗ですよね。
やっぱり特別なお手入れとかしてるんですか?」

「……ハイ?」

なにを聞かれているのかわからず、まじまじと彼女の顔を見ていた。

「私もKAGETSUDOUさんの商品使ったら、こんな綺麗な肌になれるのかな……」

はぁっとCOCOKAさんは感嘆のため息を落としているが、やはり彼女がなにを言っているのかわからない。
だいたい、初対面で私は彼女から〝地味なおばさん〟と言われたのだ。

「私、お手入れをちゃんとしてもすぐに乾燥しちゃうのが悩みで。
いろいろ試してるんですけど、なかなかこれ!っていうのに出会えないんですよね。
かといって高級化粧品を買ってやっぱり満足できなかったらって思うと、手を出しにくいし。
今回のお仕事を受けたのも、タダで高級化粧品が試せるならいいかなーって」

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