憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
運転手さんもちらっとこちらをうかがう。

「……いえ。
違うので、大丈夫です」

それよりも私はとんでもない悪女だったほうが大問題だ。

……え、私って私をちやほやしてくれる男性を自分のものなんて思う、高飛車な最悪女だったの?

気づいてしまった自分の真の姿へのショックが大きすぎて、よろよろとドアに肘をつき、額に手を当てた。
こんなの、確実に龍志から嫌われる。
仕事の評価が低すぎて嫌われるならまだしも、人間性が最悪で嫌われるなんてダメージが酷すぎて立ち直れなくなる。
それに仕事にだってきっと影響が、出る。
だったらそれこそ、猫をかぶって隠し続けなければ。

「本当に大丈夫か」

自分の性格の悪さに気づいてしまい、打ちひしがれているせいでさらに龍志が心配してくる。

「はい。
本当に大丈夫なので、ご心配は不要です」

「なら、いいが……」

と言いつつ、龍志の表情は晴れない。

そうこうしているうちにタクシーはマンションに到着した。

「今日は本当に申し訳ありませんでした。
今後、気をつけます」

「なあ。
本当にどうかしたのか?」

部屋の前で頭を下げる私に彼が怪訝そうに聞いてくる。
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