憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
視線を逸らしたものの課長の手が私の顎にかかり、強制的にレンズ越しに目をあわせさせる。
眼鏡の向こうで彼の目は、私をどういたぶってやろうかと愉悦で歪んでいた。

「で、でも、人としてどうかと思うし……」

恐怖でうっすらと涙が浮かんでくる。
やはり、会社での優しくて頼れる上司は演技だっんだ。
これが、本当の課長の姿。

「迷惑かけてないんだから問題ないだろ。
彼女たちだって納得済みだ」

「で、でも……」

反論を試みようとするが、完全に怯えて上手く言葉が出てこない。
そんな私を課長は、面白がっているようだった。

「……それとも井ノ上も、同じようにしてほしいのか」

艶を含んだ重低音で囁かれ、脳を甘く痺れさせられる。
最後にふっとわざと息をかけられた耳を押さえ、宇佐神課長をおそるおそる見上げていた。
目のあった彼が、右の口端をつり上げてにやりと意地悪く笑う。
それを見た瞬間、私は腰が抜けたかのようにへなへなとその場に座り込んでいた。

「ごめんなさい、ごめんなさい。
私が悪かったです」

「へ?」

頭を抱えて小さくなり、怯える私の上に間抜けな声が降ってくる。

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