憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
私からの連絡を受け、兄はすぐに迎えに来てくれた。
兄の部屋でもソファーに座り、クッションを抱いて丸くなる。

「だいたい事情は聞いたけど。
それってナナがアイツが好きってことじゃないのか」

「……は?」

兄がいったい、なにを言いたいのかわからない。
私が龍志を好き?
それこそ、ありえない。

「だってナナは、アイツが他の女とベタベタしていたのが嫌だったんだろ」

「それはそうだけど。
でもそれは、私のものだって思ってた龍志が、取られそうだったからで」

都合のいい召し使いがいなくなるのが困るからだけれど?
それがなんで、好きだからになるの?

「ナナがアイツを自分のものだって思ってたのは、アイツの身も心も独占したいからだろ。
それって好きってことだ」

兄のいうことはわかるようでわからない。
私が困惑しているのに気づいたのか、兄は困ったように笑った。

「なーんで恋愛ごとにこんなに鈍い子に育ったかな。
俺が過保護に甘やかせすぎたせいか」

「……鈍くないもん」

私が不満で唇を尖らせ、兄はおかしそうだ。

「まあ、気が済むまでここにいたらいいさ。
でも、仕事はどうするんだ?
同じ職場だろ」

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