憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
『まず、パッケージが可愛くない?
昭和レトロって感じで。
おばあちゃんが若い頃からあるんだって、これ。
値段もこっちの十分の一くらいだけど、お肌がふっくらもっちりになるし、すっごく気持ちいいの!
何度も言うけど、値段はこっちの十分の一だよ?
もう、これで十分じゃない?』

もしかして彼女は、ここのメーカーと宣伝の契約でも結んでいるんだろうか。
もうそうとしか考えられない。
しかし我が社との契約は、契約期間中は別の化粧品会社およびそれに類する商品の宣伝の契約は結んではならないとなっているはずだ。
あれか、もしかして情報漏洩のときと同じように読んでいないのか。

『そんなわけでCOCOKAの今、一押しはこれ!』

無言で龍志が動画を止める。

「ヤバいな」

「ヤバいですね」

ふたり同時に大きなため息が口から落ちていく。
契約違反だが他社の商品を推すのはまだいい。
問題は我が社の商品、しかも看板商品を悪く評価したことだ。

「動画削除でなんとかなりませんかね」

「無理じゃないか。
ほら」

龍志が視線を向けた先にはこちらへ向かってきている小山田部長の姿が見えた。

「宇佐神くん。
と井ノ上くんもちょうどよかった。
専務がお呼びだ」

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