憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
違う、私程度の考えなど、龍志もすでに思いついているのだ。

「じゃ、その意見で上を捻じ伏せられるだけの資料を集めて上申書を作れ。
できるな?」

挑発するように彼が右頬を歪めてにやりと笑う。

「もちろんです!」

龍志――ううん、尊敬する上司である宇佐神課長が私に期待してくれている。
こんなの、やる気にならないほうがおかしい。

細かい打ち合わせをして部署に戻る。

「なんかあったらすぐ、報告」

「わかりました」

力づけるように私の肩を軽くぽんぽんと叩き、龍志は自分の席へと行った。
私も自分のデスクに着き、速攻でCOCOKAさんにメールを送る。
三十分もしないうちに彼女から携帯に電話がかかってきた。

『井ノ上さん!
私、どうしたら!?』

電話の向こうの彼女は軽くパニックになっていて、今にも泣きだしそうだ。

「落ち着いて。
急で悪いんですが今日、会えないですか」

電話やメールでもいいが、デリケートな問題なので感情の行き違いなどないようにできれば会って話がしたい。
それは龍志も同じ意向だった。

『もちろんです。
時間、作ります。
会社にお伺いしたらいいですか』

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