憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
しかし仕事を押しつけられるようになって、この仕事もあの仕事も彼が携わっていたのかと驚くことばかり。
こんなに忙しいのにさらに女性を取っ替え引っ替え……いや、なんでもない。
それは誰かに手伝ってもらいたいよねと納得はしたが、都合のいい手足とばかりに使われるのは別問題だ。
今日も案の定、残業になって遅い時間に会社を出た。
ちなみに私に残業を押しつけ……頼んだ課長は接待だ。
「今日もコンビニ弁当かな……」
電車を降りて駅を一歩出た途端、ぴたりと足が止まる。
……え?
なんとなく、よく知っている視線を感じた気がした。
しかもそれは、嫌な記憶として残っている。
けれどもう引っ越しをしたし、いるわけがないのだ。
……気のせい。
きっと気のせい。
言い聞かせながらも、バッグの肩紐を堅く握り足を速める。
少し歩いたところで視線はなくなり、ほっと息をついた。
「……うん。
そうだよね」
自意識過剰だなと苦笑いし、気を取り直して再び足を進めようと――し。
「おい」
「ひっ!」
唐突に後ろから肩を叩かれ、小さく悲鳴を上げてその場に座り込んだ。
「そんなに驚くことないだろ」
こんなに忙しいのにさらに女性を取っ替え引っ替え……いや、なんでもない。
それは誰かに手伝ってもらいたいよねと納得はしたが、都合のいい手足とばかりに使われるのは別問題だ。
今日も案の定、残業になって遅い時間に会社を出た。
ちなみに私に残業を押しつけ……頼んだ課長は接待だ。
「今日もコンビニ弁当かな……」
電車を降りて駅を一歩出た途端、ぴたりと足が止まる。
……え?
なんとなく、よく知っている視線を感じた気がした。
しかもそれは、嫌な記憶として残っている。
けれどもう引っ越しをしたし、いるわけがないのだ。
……気のせい。
きっと気のせい。
言い聞かせながらも、バッグの肩紐を堅く握り足を速める。
少し歩いたところで視線はなくなり、ほっと息をついた。
「……うん。
そうだよね」
自意識過剰だなと苦笑いし、気を取り直して再び足を進めようと――し。
「おい」
「ひっ!」
唐突に後ろから肩を叩かれ、小さく悲鳴を上げてその場に座り込んだ。
「そんなに驚くことないだろ」