憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
頭上から戸惑いと呆れの交ざった声が降ってきた。

「ほら」

「あ、ありがとう、ございます……」

私に声をかけた人物――宇佐神課長が差し出す手を借りて立ち上がる。

「こんな時間まで残業か」

促されて一緒に歩き出す。
誰のせいで今まで仕事をしていたと思っているんだと口から出かかったが、かろうじて耐えた。

「ええ、まあ」

「遅くなるときは駅からタクシー……って距離でもないしなー」

はぁーっと課長がため息をつく。
もしかして少しは、心配してくれているんだろうか。

「ま、気をつけて帰れ」

慰めるように彼が、私の肩をぽんぽんと叩いてくる。
が、言わせてもらえば早い時間に帰れる量の仕事にしてくれれば、そんな心配も無用ですが?
まあ、無理なのはわかっているけれど。

少し歩いたところでコンビニが見えてきた。

「寄ってもいいですか」

「いいけど」

同意がもらえたので中に入る。
パスタとサラダ、今日は頑張ったのでコンビニスイーツも選ぶ。
ついでに明日の朝ごはんにサンドイッチも。

会計を済ませ、エコバッグを提げてコンビニを出る。
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