憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
なんで私の名前が出てくるの?
しかも龍志と結婚するだとか。

「何度も言うけれど龍志がそんな一般庶民、相手にするわけがないでしょ?」

ふんと鼻で笑い、COCOKAさんに言い返しているのは、十中八九の人が美人だというであろう女性だった。
そこらの男性よりも背が高く、すらりと手足が長くてスタイルがいい。
長い黒髪は美しく、彫りの深い顔はエキゾティックな印象を与えた。
しかし相手にしないって、大会社で役職付きとはいえ龍志も一般庶民だと思うんだけれど?

「龍志とか宇佐神課長のこと、名前で呼んでいいのは井ノ上さんだけなんだからねっ!」

いや、だからなんで、私が争点になっているの?
今からあのふたりのあいだに入るのだと思うと、気が重い……。

「……頑張ってください、先輩」

慰めるように由姫ちゃんが、私の背中を叩く。
もうそれしかできないのだろう。

「あー、うん」

そんな彼女に曖昧な笑顔で返す。

「まあ、私も宇佐神課長と結婚するのは井ノ上先輩派ですが」

「もー、勘弁してよー」

由姫ちゃんがにやりと笑い、その場に崩れ落ちそうだった。

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