憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
ルナが傷ついた顔をして申し訳なくなったが、気づかないフリをした。

「じゃあ、あとはしっかりやってくれ」

彼女から目を逸らし、逃げるように部屋を出る。

「……最低だな、俺」

あんなの、ただの八つ当たりだとわかっていた。
悪いのはルナじゃなく、父だ。
しかしそうするしかできなかった。

その後はイベントを回すのに忙殺されてこの問題からは目を逸らした。
帰りは終電間際になり、タクシーで七星と一緒に帰る。

「これで明日も仕事なんて信じられません……」

「耐えろ。
あと二日したら休みだ」

彼女は茫然自失といった感じで、つい苦笑いしていた。

「あと二日もある……」

憂鬱そうに彼女がため息をつき、同じ思いなだけになんとも言えない。

「そういえばルナさんと龍志って、知り合いなんですか」

聞かれるだろうとは思っていたが、それでもどきっとした。

「前に他の仕事で少し、な」

曖昧に笑い、適当に誤魔化す。
これで納得してくれと願ったものの。

「……仕事を辞めてルナさんと結婚、とかも言ってましたが」

さらに彼女が質問を重ねてきて、どう答えたらいいのか悩んだ。

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