憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「俺に今の仕事を辞める気なんてないし、それに俺は誰とも結婚する気はない」

悩んでも答えは出ず結局、正直に本心を漏らす。

「……誰とも結婚、しないんですか」

七星に再び尋ねられ、自分の口から出た言葉を知った。
しまったと思ったがもう遅い。

「わるい、忘れてくれ」

そのまま、流れる窓の外へと視線を逸らして黙った。
狡いのはわかっているが、七星の前では普通の会社員の宇佐神龍志でいたかった。
本格的に付き合えば、俺が誰とも結婚したくない事情も実家のことも避けて通れないのもわかっている。
それでも俺は少しでも長く、今の生活が続けたかった。

「……七星と結婚できたらいいのにな」

呟いた声は誰の耳にも届かないほど、小さかった。
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