憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「いいから早く、タマネギを切れ」

「あう」

急かすように軽く足を蹴られ、変な声が出る。
改めてタマネギと対峙した。
一応、知識としてはみじん切りの仕方は知っているが、上手くいくのか?

こわごわ、タマネギに包丁を入れていく。
トン、トンと断続的に音を響かせてタマネギを切る私を龍志は黙って見守っていた。

「で、できました」

ふーっと出てもない額の汗を拭い、彼に見せる。

「……デカいな」

しかし彼の指摘でびくりと身体が固まった。
しかもさっき、得意満面だっただろうだけに、いたたまれない。

「……すみません」

申し訳なくて身体を小さく縮ませた。

「いや、いいけどさ。
たぶんみじん切り、七星はこっちのほうがやりやすいと思う」

龍志が身体を寄せてくるのでまな板の前をあける。
半個残っていたタマネギをさらに半分にして芯などを取り、彼はスライスし始めた……のはいいが、滅茶苦茶早い。

「こうやってスライスしたのを、さらに切る」

量を半分くらいにし、断面を横にしてさらに彼が刻む。
それは私が切ったものなどとは比べものにならないほど均一な大きさで細かかった。

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