憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
今までの私ならきっと、ふたつ返事で承知していただろう。
しかしずっと、新作発表会の帰りに彼の口から出た「誰とも結婚する気はない」
という言葉が私に重くのしかかっている。
こんなあまあまな生活をしていながら、彼にとって私はいったい、なんなんだろう?
ただの世話の焼ける部下?
それだったらいいが遊びだったら立ち直れない。
COCOKAさんは龍志の好きな人とは私だと言っていたが、それでも信じられなかった。

「……いい、ですよ」

どうしようか数秒悩み、返事をする。
これで断るなんて不審以外なにものでもないし、それに一緒の時間が増えればそれだけ、彼の気持ちがわかるかもしれない。

「じゃ、なに観に行く?」

龍志が私のほうへとタブレットを向けてくるので、私もテーブルに近づき一緒に画面を見た。
最初からその気だったのかすでにそこには、映画館の上映スケジュールが開かれている。

「うーん、今、話題なのはこれですけど……」

最近、CMがバンバン打ち出されている映画を指す。

「こういうのは苦手なんですよね……」

曖昧に笑って彼の顔を見た。
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