憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
それともあれか、昨日、私が好きだと言ってくれたのは夢だったとか?

「あー、なんか悩ませて悪いが」

ぐるぐる考えていたところへ声をかけられ、顔を上げる。
眼鏡越しに目のあった龍志は困ったように笑っていた。

「なんというかこう、俺は枯れてるんだ」

「枯れてる?」

意味がわからなくて大きなクエスチョンマークが頭上に三つ、ぽんぽんぽんと浮かんだ。
そんな私を見て彼は苦笑いしている。

「女性の身体を見ても別に、興奮しないってこと。
七星に魅力がないわけじゃなくて、いろいろあってそういうのが面倒になった、っていうか」

「はあ」

兄から、男はただやりたいだけだから気をつけろと口を酸っぱくして教育されてきた私としては、そういう男の人がいるのだというのが少し、信じられない。

「俺としては七星を抱きしめて眠れるだけで満足なんだが……七星はそうじゃないよな」

「え、えーっと……」

そうとも違うとも言えず、曖昧に笑った。

「望むなら、七星を気持ちよくはさせてやれる。
ただ、俺の身体がその気になれない、ってだけで」

「あー、……いい、です」

適当な笑みを貼り付けて答える。
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