憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
私には未知の領域過ぎて理解が追いつかない。
けれど、私が好きだけれどそういう気持ちにはなれない、それに対して申し訳ない気持ちに龍志がなっているというのは理解した。
だったら、無理にしてもらうことでもない。
それに私だって今まで、そういう行為を完全にスルーして生きてきたので問題がなかった。

「わるいな」

詫びてきた彼はすまなさそうで、私のほうが申し訳なくなった。

朝食のあとは一緒に片付けをし、そして。

「座れ」

メイク道具を持ってきた龍志からテーブルの前に座らせられた。

「今日は俺が、メイクしてやる」

「お願い、します」

龍志のメイク技術が拝めるのは、わくわくする。
シートパックをしたあと、彼はてきぱきと私の肌にいろいろ塗り始めた。

「それはなにしてるんですか?」

「んー、肌の色むらとか、陰とか消してる」

私なんて下地はせいぜい二種類くらいだが、彼は何種類も場所や用途によって使い分けていた。
その割にポイントメイクはあっさりだ。
さらに髪まで結ってくれる。

「はい、終わり」

「おおーっ」

鏡の中の私は肌年齢が二つ三つほど若返っているように感じた。
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