憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
それは社会人になっても変わらず、そのせいか新人の頃からよくまわりに頼られていた。
件のデザイナー、KENEEさんに至急電話打ち合わせをしたいとメッセージを入れて三十分後。
向こうから今ならいいと返ってきた。
速攻で通話アプリを立ち上げ、今からかける旨を伝える。
すぐにOKと返事があり、通話ボタンを押した。
「お世話になっております、KAGETSUDOUの井ノ上です」
『はいはい。
どうせ今日、あげたポスターの件でしょ』
面倒臭そうに先方がため息をつく。
『わーってるよ、そちらの注文どおりにあげるのがプロだって。
でもあんな、ダッサイのを作るのは芸術家としての僕が許さないの』
……デスヨネー。
と、心の中で相槌を打った。
私も会議であの案が出たときはいまどきそれはないだろと信じられなかったし、しかもそれに決まって遠い目になった。
――美魔女とかもう、死語だ。
さらにいかにもアラフィフ女性が持っていそうなもので和柄のがま口財布を入れようとか、本気で言っているのか聞きたくなったくらいだ。
件のデザイナー、KENEEさんに至急電話打ち合わせをしたいとメッセージを入れて三十分後。
向こうから今ならいいと返ってきた。
速攻で通話アプリを立ち上げ、今からかける旨を伝える。
すぐにOKと返事があり、通話ボタンを押した。
「お世話になっております、KAGETSUDOUの井ノ上です」
『はいはい。
どうせ今日、あげたポスターの件でしょ』
面倒臭そうに先方がため息をつく。
『わーってるよ、そちらの注文どおりにあげるのがプロだって。
でもあんな、ダッサイのを作るのは芸術家としての僕が許さないの』
……デスヨネー。
と、心の中で相槌を打った。
私も会議であの案が出たときはいまどきそれはないだろと信じられなかったし、しかもそれに決まって遠い目になった。
――美魔女とかもう、死語だ。
さらにいかにもアラフィフ女性が持っていそうなもので和柄のがま口財布を入れようとか、本気で言っているのか聞きたくなったくらいだ。