憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「あー、いえ、なんとなく似合わない気がして……」

答えながらふと気づく。
「スカートは穿かないのか」ではなく「抵抗あるのか」と聞いてくれた。
これってもし、私がそうだと答えていたらスカートを無理に勧めないとかそういうことなのかな。

「モノトーンばっかりだけど、これはそういう趣味だからか?」

「そういうわけじゃないんですが、カラフルなのは似合わない気がして……」

「ふーん。
とりあえず、これな」

少しして振り返った彼が渡してきたのは、黒パンツと白のシャツワンピだった。

「えっと……」

「じゃ、俺も準備してくるから」

私に質問をする隙など与えず、彼がさっさと部屋を出ていく。

「……着替えるか」

ひとりになり、もそもそと服を着替える。
あの人は私のクローゼットなどチェックして、なにがしたかったのだろう?
あれか、デートなんだから自分の気に入る格好をさせたかったとか?

「……デート」

そこまで考えて、シャツワンピのボタンを留めていた手が止まる。
そうか、今日は私にとって初めてのデートなのか。
え、デートだっていうのにこんな地味な格好でいいの?
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