憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
もしかして私を気遣ってくれたのかな。
それとも、本当に?
どちらか判断がつかないが、それでもよかった。

ドリンクとポップコーンを買い、シアターへと向かう。

「チケット代、出してもらったので私が買うって言ったのに」

そうなのだ、昨日、チケットは龍志のカードで取ってくれた。
私の分は払うと言ったのに、現金もらうの面倒臭いとか言って受け取ってくれなくて。
じゃあ送金するって提案しても、俺と七星じゃ使っているバーコード払いが違うからできないだろってさらに断られた。
ちなみに私は大手ペイ払いを使っているが、龍志はN払いだ。
いろいろ不便もあるしサブでペイ払いを導入すればいいのに、頑なに拒否している。
なんでだろう?

「初デートなんだから今日くらい、俺に奢らせろよ」

「初デート……」

その単語を聞いた途端、またみるみる頬が熱くなっていく。
そんな私を見てなぜか、龍志も恥ずかしそうに俯いていた。

それでもシアターの中は席は別だし!と少々安心していたのだ……が。

「えっと……龍志?」

携帯に表示させたチケットを確認しながら、ここだと案内された席を見て顔が引き攣る。
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