憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「いつものメイクはちょっと変えるだけでここまでじゃないが綺麗になるし、髪型だって簡単なアレンジでけっこう変わるぞ?
まあ、七星がそうしたいっていうなら教えるし、今のままでいいっていうなら無理強いはしない。
俺はどっちでもいいしな」

にかっと彼が笑い、ぽっと胸の中が温かくなった。
こっちのほうが可愛いからこうしろなんて龍志は強制しない。
それどころかこのままでもいいって言ってくれる。
本当に素敵な人を私は好きになったんだな。

「……前からこういう服は着てみたいって思っていたので、教えてくれますか?」

それでも素直に教えを請うのは恥ずかしくて、彼の袖をちょんと摘まんで俯く。

「わかった」

周囲をきょろきょろと見渡したあと、顔をのぞき込んだ彼は素早く唇を重ねてきた。

「ひ、人が見てます!」

「今、誰も見てなかった」

しれっと言い放つ彼を上目遣いで不満げに睨む。
でも、少し嬉しかったのは内緒だ。

服は龍志が買ってくれた。

「プレゼント」

「だから!
そういうのはダメですって!」

たぶん、初デートだから今日くらい奢らせろとか言っていたので、このあとの昼食とかも龍志が払おうとするはず。
だったら、さらに服とか買ってもらうのは悪い。

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