憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
しかしそうすると、気がついたら荷物が増えている心配があるのでごはんを食べたら帰ったほうがいいのでは?という気持ちもある。

「んー、俺、ちょっと見たいものがあるんだよな。
まだ大丈夫そうなら付き合ってくれ」

「いい、ですけど……?」

そうだよね、さっきまで私の服ばかり見ていたし、龍志だって自分のものを見たいよね。

「うわーっ」

少しして出てきた料理はお店の雰囲気とあっていて、思わず声が出た。
二段のわっぱ弁当に雑穀米のご飯や茶碗蒸し、汁物など数品が並ぶ。
開けたお弁当箱の中は、一段目には高野豆腐の煮物と玉子焼き、それに煮物が、二段目は天ぷらが入っていた。

「うまそうだな」

同意だと頷き、お箸を手に取る。

「いただきます」

まずは揚げたてが命の天ぷらから塩でいただく。
キスの天ぷらは衣はさくさくで身はふわふわしており、最高だった。

「七星はほんと、幸せそうな顔して食べるよな」

気がついたら龍志が、眼鏡の向こうで眩しそうに目を細めて私を見ていた。

「えっ、あっ」

食い意地が張っていると言われているような気がしていたたまれなくて、頬が熱くなっていく。

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