憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「まあ、七星が納得してるんならいいか」

気を取り直したのか彼は私と手を繋いできた。

「あとはどうします?」

「んー、ちょうどいいか」

腕時計を見て龍志は時間を確認しているが、なにか予定でもあったんだろうか。

「ちょっとあと二軒ほど、行くところがあるんだ」

「はぁ……?」

釈然としないまま彼に連れられて歩く。
着いたのはスーツのレンタル店だった。

「予約している宇佐神です」

「お待ちしておりました」

こんなところになんの用事が……って、スーツを借りる以外の目的はない。
問題はなぜ、スーツを借りなければならないか、だ。

「ちょっと待っててくれ」

webサイトでも見てすでに選んであったのか、彼はスーツを手に更衣室へ入っていった。
仕方なく勧められた椅子に座り、出てくるのを待つ。

「どうだ?」

少しして彼が着替えて出てきた。

「別に悪くないと思いますが?」

「だよな」

鏡の前で何点か確認し、彼は満足げに頷いてそれを借りる手続きをした。
今まで着ていた服と靴は持ってきていたであろうエコバッグに入れられている。

「じゃあ、次行くぞ」

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