憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
数日前に感じた視線は、あれからずっと感じ続けていた。

「どうかしたのか?」

そんな私を怪訝そうに宇佐神課長が見下ろす。

「あ、なんでもないです、なんでも」

曖昧に笑って誤魔化し、歩き出す。
今日もあの視線を感じた。
気のせいだと思いたいのもあって、確認する勇気はない。
けれどこのまま、また怯えて暮らして引っ越さなければならないのかと気が重くなった。

一刻も早くここを離れたいのに、課長が歩き出す気配がない。
二歩進んだところで振り返ると、彼はなぜか斜め後ろを見ていた。

「ふぅん」

ひと言小さく漏らし、彼がようやく足を踏み出す。

「どうかしたんですか?」

「ん?
いや」

課長は笑って誤魔化してきたが、なにかあったんだろうか。

「コンビニ寄ってもいいですか?」

「いいけど」

了承の返事がもらえたので、少し歩いてコンビニへ入る。
今日は明日、休みなのとここしばらくのストレスを晴らしたくてサラダとおつまみになりそうなお惣菜をいくつか選び、お酒コーナーの前に立つ。

「なあ」

「ひっ」

唐突に肩越しに宇佐神課長が顔を出し、悲鳴が出た。

< 33 / 426 >

この作品をシェア

pagetop