憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
お店を出たところで今度はタクシーに乗せられた。
尋ねながら笑顔が引き攣る。

「んー?
着いてからのお楽しみだな」

右の口端を持ち上げ、彼がにやりと笑う。
タクシーは事前に予約していたようで、目的地は予約どおりでいいか聞かれただけでどこだかわからない。
どっちのレンタルショップも予約していたと言っていたし、前もって計画していたことになる。
昨日は一日、龍志の部屋で過ごしたし、たぶん私が寝落ちてからいろいろ手配をしたのだろう。
まさか、かなり前からとかはないと思いたい。
そもそも私が気持ちを伝えて両想いになったのは昨日の話だし、今日、出かけようと決めたのも昨日だ。

「ここ……」

タクシーが着いたのは一流ホテルだった。

「ほら、行くぞ」

ぽけっと見上げていた私を促し、彼はホテルに入っていく。
クロークで荷物を預け、彼が向かったのはフレンチのお店だった。

「予約をしている宇佐神です」

「お待ちしておりました」

やはり予約してあったようで、すんなりと席に案内される。

「急だったんで個室は押さえられなかった。
わるい」

「えっ、あっ、ぜんぜん!」

< 331 / 470 >

この作品をシェア

pagetop