憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
すまなさそうに詫びられ、慌ててしまう。
映画デートから気づいたら高級フレンチでディナーなんて流れになっていて、いまだに私の理解が追いつかない。

「コースで頼んであるが、いいか」

「あっ、はい!」

メニューを開きながら尋ねられ、曖昧な笑顔で答えた。
ざっと目を通したが、混乱しすぎているせいかなにを書いてあるかイマイチわからない。
でも龍志は私の苦手な食べ物とか熟知しているので、問題はないだろう。

すぐにコースに入っている、食前酒のシャンパンが出てきた。
もしかして今日はこの予定だったから、車は駐車場に預けるのが面倒臭いとか理由をつけて避けたのか?

「俺たちの初デートに」

「……に」

グラスを少し持ち上げる彼にあわせて私も上げた。
こんなところでチン!とグラスをあわせるのはお行儀悪いのくらいわかっている。

「てか、いつ、こんな手配したんですか?」

「昨日、七星が寝落ちてから。
驚いたか?」

くるりと軽くグラスを回し、くいっと彼はシャンパンを飲んだ。
それが妙に絵になる。
その辺の普通の会社員というよりも、上流の上等な男の雰囲気を醸し出していた。
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