憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
着ているスーツがいつもと同じネイビーでベスト付きとはいえ、今日のは光沢が強めで身体にフィットするタイプでシャツも黒だからかもしれない。
いや、きっとそうに決まっている。

「そりゃ、驚きましたけど」

私が眠ってからの時間で、ドレスの手配からレストランの予約までしているなんて思わない。
しかも一切秘密で、レンタルスーツ店に行くまでそんな気配はなかった。

「じゃ、成功だな」

にやりと彼が頬を歪めて意地悪く笑う。
おかげでまだシャンパンをひとくちしか飲んでいないのに、もう酔ったかのように頬が熱くなった。

「でも、初デートだからってこんなに張り切らなくていいんですよ」

初めてできた彼女との初デートでも、ここまでドレスアップして高級ホテルでフレンチなんてないだろう。
誕生日などの特別な日か、プロポーズならありえるが。

「だから言っただろ?
年甲斐もなくはしゃいでるって」

照れくさそうに私から視線を外し、シャンパンを飲む彼の耳が赤い。
私のなにがそこまでいいのかわからないが、龍志のテンションがこれ以上ないほど上がっているのだけはわかった。

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