憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
どくん、どくんと心臓が自己主張を繰り返し、水分も摂りすぎない程度に補給してきたのに喉が渇く。
せっかくあんなに綺麗にした身体も汗を掻いて、もう一度、部屋に帰ってシャワーを浴びようかとすら思った。
しかしあまり待たせては私の気分が変わったと思われそうで、ぶるぶると震える指でおそるおそるインターフォンを押した。

「はい」

すぐに中から当然ながら龍志の声が返ってくる。

「井ノ上……デス」

私が名乗ると同時に慌てたようにガチャリと勢いよくドアが開いた。

「なんで今日はインターフォン押してるんだよ?」

促され、部屋に入れてもらう。

「あー、……なんとなく?」

曖昧な笑顔でそれに返す。
ずっと「おじゃましまーす」
ってだけで勝手にもらった鍵で入ってきていたので、不審に思われても仕方ない。
しかし今日は、なんかそうやって気軽に入るのが憚られたのだ。

「まー、いいけどよ」

おかしそうに笑う彼もすでにお風呂に入ったのか、いつものスエット姿になっている。

「なんか飲むか?」

その気なのかすでに彼は冷蔵庫を開けていた。

「あっ、大丈夫、……デス」

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