憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
慌てて目についた缶酎ハイをカゴに入れ、レジへと向かう彼のあとを追う。
しかしお弁当コーナーの前で唐突に足を止めるから、ぶつかりそうになった。

「えっと」

棚を一瞥した彼はカゴに手を突っ込み、入っていたお惣菜などを棚に戻していった。

「あの……」

半ば抗議を含め、課長を見上げる。

「今日は買わなくていい。
というか、これから俺が食わせてやる」

「えっ、あの!」

私の手を掴み、彼が強引にレジへと歩いていく。
私が戸惑っている間にさっさと会計を済ませ、取り出した紺色のレジバッグに買ったものを入れて持った。

「なにが食いたい?
といっても今日はあるものでしかできないが」

また私の手を掴み、課長は店を出ていく。

「その!
作っていただくとか!」

「いいの、いいの。
それで、なにが食いたい?
苦手なものとか、食べれないものとかはあるか?」

私にかまうことなく課長はどんどん歩いていった。

気づいたときにはマンションに帰り着いていた。
一緒に並んで、ポストを開ける。

「ひっ」

中を見た途端、思わず悲鳴が出ていた。
もう二度と見たくない、あの白封筒が入っている。

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