憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
机を挟んで自分の前に立った彼を見上げた龍志の顔にははっきりと、面倒ごとを持ち込むなと書いてあった。
しかしそれには気づかず、彼が続ける。

「小山田部長がルナさんを不快な目に遭わせてしまったのでお詫びしなければならない、席を設定しろって言ってくるんですー」

これだけ聞けば当たり前だしなにをそんなに困る理由があるのかといった感じだが、あの件は龍志があいだに入ってきっちり謝罪している。
ルナさん側からも騒ぎを起こして申し訳なかったと正式に謝罪があり、片がついているのだ。
なのにさらに小山田部長がしゃしゃり出てくるのは上役としてというよりも、ただ単に美人有名モデルのルナさんとお近づきになりたい以外になにものでもない。
だから命じられた男性社員はほとほと困り果てているのだ。

「はぁ?
小山田部長くらい自分で説き伏せろよ。
なんでもかんでも俺のところに持ってくるな」

「うっ」

ぴしゃりと龍志が言い放ち、男性社員は声を詰まらせた。

「で、でも、オレの言うこと、全然聞いてくれないんです……」

龍志に拒否され、彼はみるみる萎れていった。
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