憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
面倒臭そうに頭をがしがし掻いている龍志に男性社員は縋りつくように再び前のめりになった。

「でも、今回だけだからな。
次からは自分でなんとかしろ」

「はいっ、次もよろしくお願いします!」

「だから次はないって言ってるだろ」

まったく人の話を聞いていない彼に龍志は苦笑いしている。
イベントからなにかが変わったのか、龍志は会社でも猫をかぶってよき上司を演じず、地の俺様宇佐神様でいるようになった。
とはいえ、なんだかんだ言いながら部下のために動く、よき上司には変わりないのだけれど。
――しかし。

〝次からは自分でなんとかしろ〟

これって、もうすぐ自分はいなくなるから、できないと困るぞってことじゃないだろうか。
龍志が私と一緒にいられるのは短いあいだだと言っていた。
それって、どれくらい?
効かなければいけないのはわかっていたが、その日を知るのが怖い私は先延ばしにしていた。



仕事は残業なく終わり、由姫ちゃんとふたりで食事――のはずだった。

「七星お姉さま、なに飲みます?」

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