憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「いえ!
こちらこそ七星さんを貸していただき、ありがとうございます!」

礼儀正しく龍志に向かって頭を下げるふたりを、なにをしているのかわからずにぽかんと見ていた。

「これ。
ふたりとも、タクシーで帰れ」

財布から引き抜いたお札を龍志が彼女たちに渡す。

「そんな!
大丈夫ですので!」

「もうけっこう遅いからな。
女性の夜道の一人歩きは不安だし」

「私たちまで気遣っていただき、ありがとうございます。
では、ありがたく」

「じゃ、気をつけて帰れよ」

「宇佐神課長と七星さんもお気をつけて」

龍志に促されて歩き出す。
しかし私はいまだに、状況把握ができていなかった。

車を預けている駐車場へ来て、助手席のシートに座ってようやくひと息ついた。

……あの、体育会系のノリはなんだったんだろう?
由姫ちゃんもCOCOKAさんもらしくなかった、というか。

私がシートベルトをしているのを確認し、龍志が車を出す。

「わざわざ迎えに来てくださって、ありがとうございます」

「別に?
仕事が思ったより早く終わって、暇だったしな」

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