憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「はーい」

すぐに中から返事があり、ドアが開く。

「なんだ、オマエか。
鍵開けておくから勝手に入ってこいっていっただろ」

若干不満顔で、宇佐神課長が部屋の中へと戻っていく。

「そういうわけには……。
おじゃま、しまーす」

なんとなくおそるおそる、ガーデンサンダルを脱いで部屋の中に入る。

「座ってろ。
もうできる」

「あっ、はい……」

うちと同じ間取りなので、入ってすぐはキッチンだった。
コンロには鍋がかかり、いい匂いがしている。

「なにか手伝いましょうか」

そろりと彼に申し出た。
上司に料理を作らせ、私だけ座っているなんて居心地が悪すぎる。

「じゃ、運んで」

「はい」

皿に盛られた料理をリビングへと運ぶ。
綺麗に片付けられた部屋は、課長の几帳面さを顕しているようだった。

「もうないから座ってていいぞー」

「はい」

適当にテーブルの前に座りながら、なんとなく部屋の中を見渡してしまう。
隅には小型ながら背の高い書棚があり、本が溢れんばかりに詰まっていた。
もしかして読書が趣味なんだろうか。

「おまたせ」

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